アレルギー・婦人病に効くヨモギ

民間療法が実証するヨモギの効用

伊沢 一男 著 1992.08.06 発行
ISBN 4-89295-002-5 C217 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


皮膚のかゆみにはヨモギで対処

アレルギー・婦人病に効くヨモギ

看護婦さんの発見
皮膚のかゆみにヨモギが効く──というのは、おバアちゃん世代の人にとっては、生活の中で自然に身についた知恵でした。
ヨモギの薬をもんで患部につければ、痛みもかゆみもとれると、母親に教えられてきたわけです。
戦後は医療の発達とともに、こうした民間療法はだんだん見られなくなってしまいました。ところが、これをヒントにヨモギを皮膚病対策に利用して大きな成果を挙げた看護婦グループがあります。
洛和会丸太町病院の看護婦さんたちです。グループでは、入院患者のなかに、
「身体がかゆくて眠れない」
という人が多いことに気付き、昔おバアちゃんから「皮膚のかゆみはヨモギをつければ治る」と聞かされたことを思い出し、早速試してみたところ、効果が確認できたといいます。

有効成分がかゆみを軽減
皮膚のかゆみにヨモギが有効であったことを確認した看護婦グループは、その後、ヨモギの薬理作用について研究報告を行なっています。
それによれば、ヨモギのシネオールを主成分とする精油、また、その他のタンパク質、ビタミンA、B、C、D、脂肪、酵素KCIといった成分が有効に作用。それに加え、ヨモギの抗菌作用およびビタミンの毛細血管透過性を抑制する働きが、かゆみを軽減させることに役立ったと見ています。
ちなみに、期せずして同じ時期、聖マリアンナ医科大学病院の看護婦の金森さんも、患者にヨモギを施し同様の結果を報告しています。




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