南米の伝統的薬草エルカンプーレ

メタボリックシンドロームを一掃

小川 博 著 2006.05.17 発行
ISBN 4-89295-612-0 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


医学の終点は自ら病気を治すこと

南米の伝統的薬草エルカンプーレ

いま日本で増えている生活習慣病の多くは、決定的な治療法が確立されていません。高血圧や糖尿病はその最たるものです。

これらの病気は、初期の段階では自覚症状がほとんどないため、病気に気づいても甘く考えて放置されがちです。しかし、いったん重症化すると、生涯にわたって薬でコントロールしていかなければならないことをよく知っておく必要があるでしょう。

それは患者さんにとって不幸であると同時に、超高齢化社会を迎えつつある日本では、国の財政を大いに揺るがすことにもなります。

最近はそうした状況を考慮して、医療現場でも、病気の前段階、すなわち病気予備軍の段階で適切な対応をする「予防医学」の重要性が見直されてきました。

とくに、脳梗塞や心筋梗塞などの脳・心血管疾患の引き金となる動脈硬化の予防は最優先課題にあげられています。

日本の死亡原因の第1位はガンですが、第2位の心臓病と、第3位の脳血管障害はどちらも動脈硬化と関係の深い病気であり、両者をあわせた総数は第1位のガンを上回ります。

つまり、日本の死因の第1位は動脈硬化に基づく疾患といって過言でなく、動脈硬化をいかに防ぐかが、予防医学の重要な柱となるわけです。

そこで、新しい病気の概念として提示されたのが、メタボリックシンドローム(代謝異常症候群)です。

メタボリックシンドロームは、動脈硬化を促す危険因子が複数重なって発生する病態のこと。詳細は本文で説明しますが、決してめずらしい症状ではなく、40歳を過ぎた人なら誰しも該当する可能性があります。

まさに予防医学のターゲットとなる病気の前段階で、その解決には医薬品より、日常の食生活が大きなカギを握ります。このとき、もしも、手軽に食べられる食品で、このメタボリックシンドロームの危険因子を一掃できれば、生活習慣病、ひいては動脈硬化を予防する大きな原動力になるでしょう。

ただし問題は、そんな都合のいい食品があるのかということです。

じつは、日本から遠く離れた南米にあったのです。本書で紹介するエルカンプーレがそうです。

もはや「病気になったら病院へ行けばいい」と他力本願でのんきに構えている時代は終わりました。

『医学の終点は病気を自ら治すことである』

といったのは、紀元前にギリシャで活躍した医学の父・ヒポクラテスですが、2500年の時を経たいま、あらためて一人ひとりが自覚をもって病気になる前、あるいは病気予備軍のうちに「自ら治す」努力をすることが求められています。

本書の内容がその1つの手引書として、多くの人の健康長寿に役立つことを心より願っています。




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