アレルギー・婦人病に効くヨモギ

民間療法が実証するヨモギの効用

伊沢 一男 著 1992.08.06 発行
ISBN 4-89295-002-5 C217 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


民間療法が実証するヨモギの効用

アレルギー・婦人病に効くヨモギ

ヨモギは昔から、切り傷やすり傷、ハチ刺されなどに非常によく効く薬草として広く使われてきました。ヨモギの葉を患部に当てて待つこと数分。やがて痛みは消え、腫れも治まっていきます。これはヨモギが持つ殺菌力および消炎作用の働きが、効果を発揮するためです。

わたしが若いころは、足をすりむいて泣きじゃくる息子の膝に、母親がヨモギを当てている光景をよく見たものでした。そうして母から子に代々伝えられてきた貴重な民間療法が、家の周辺に緑が少なくなるとともに、忘れられていくのは非常に残念なことです。

現在、ヨモギの名を耳にするとすれば、3月のひな祭りのヨモギの草もち、あるいは5月の節句のヨモギを入れたショウブの湯。春の七草ガユの一味くらいのものでしょう。日常生活で食する機会は、ほとんどないと思います。ヨモギの薬効を考えれば、じつにもったいない状況といわざるを得ません。

ヨモギは、万病の根源ともいうべき“血液の汚れ”を浄化し、血行を促する効能を備えていることから、高血圧を始めとする成人病、婦人病、アレルギー性の諸症状に、じつに素晴らしい効果を発揮することがわかっているのです。しかもこの薬草は、無造作にどこにでも生育しており、誰でも手軽に利用することができます。生命力が強いため、都会の片スミでも容易にその姿を見つけることができます。これを放っておく手はないでしょう。

この本を読んで、ひとりでも多くのヨモギ愛好者が増え、健康ライフを送っていただくことができれば、わたしとしても幸いに思います。




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