このところ、ウコンがちょっとしたブームを巻き起こしているように思えます。粉末やウコン茶など、さまざまな方法で商品化が進み、手軽に入手できるようになったのもその一因でしょう。かつては、沖縄あたりに行かないと、なかなか良質のウコンは入手できなかったのです。
ですが、このブームを支えているのは、やはりウコンには大きな効能があることが、徐々にでも確認されてきたからではないでしょうか。
ウコンは肝臓の妙薬――と、沖縄では昔から言われてきました。自生するウコンを煎じたりして、沖縄の人たちはこの妙薬の力をごく日常的に利用してきたのです。
もちろん、効果もてきめん。弱った肝臓の働きを回復し、沖縄の暑い夏を乗り切る力をあたえてくれていました。
肝臓というのは、たいへん丈夫な臓器であるとともに、重要な役割を担っています。その役割はたいへんに幅広く、おもなものをあげただけでも、血漿蛋白の合成、アンモニアの無毒化、グリコーゲンの合成、脂肪酸の分解、有毒物質の解毒、ビタミンの活性化などがあります。こうした多彩な役割を担っていることから、肝臓は人体の“化学工場”とさえ言われているのです。したがって、肝臓を守ることは、すなわち、健康を守ることにつながるといっても過言ではないでしょう。
ウコンは言うまでもなく自然食品ですから、人体に無理なく効能が作用します。加えて、ウコンには他にない多くの効果が発見されつつあります。
わたしがショウガ科の植物を研究しはじめて二十年がたちます。本書では、ウコンの本来の姿の知識と、そのさまざまな作用についてまとめてみました。
ウコンを上手に利用することで、かならず皆さんの健康に役立ってくれるにちがいありません。