近年「身土不二」という概念で「食」に取り組まれる方が多くなりました。自分たちの育ってきた身近なところに慈養となるものがあり、その土地で消費することは環境にも優しいことになります。
もともと日本人は農耕民族としてお米を主食に和食文化が発展しました。しかし残念ながら、食の欧風化によって、日々の食事内容も変わり、現代の若者にとっての「おふくろの味」もカレーライスやスパゲティに変わってきています。
時代とともに豊かになってきた食卓ですが、一方でメタボリックシンドローム現象に歯止めをかけなければならない食環境にもなっています。
国内の産物には日本人だから適する食べ物がたくさんあります。同じ品種の作物でも、生育地によって栄養価の誤差はありますが、その土地でとれたものにはその土地の人に適合する力もあります。
「ハスカップ」は、厳しい自然と共存しながら食糧を探し求めて生きてきたアイヌの人たちから伝えられてきたものです。「不老長寿の妙薬」とも言われ、長く寒い冬を越すために四季折々に収穫した身近な野生植物や魚肉類と共に「加工・保存」しながら利用してきました。
その甘酸っぱい味はお料理やお菓子だけでなく、お酒などにも幅広く利用されています。
また、栄養価においては、現代人に不足がちなカルシウムや鉄分だけでなく、高い抗酸化力に優れているため、生活習慣病の予防にも大いに役立つ成分が多く含まれています。
ストレス社会の現代人に、少しでも「ハスカップ」の素晴らしさを知って頂けたらと思います。