アマゾンの薬用樹木キャッツクロー

アルカロイドが免疫力を増強させ、ガン・痛みに効く

梶本 修身 著 1997.08.13 発行
ISBN 4-89295-378-4 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


世界中の医師が注目する奇跡のハーブ

アマゾンの薬用樹木キャッツクロー

一九九六年八月二十七日深夜、私は、スペインでの医学学会発表を終え、ほっとした気持ちで南米ペルーへ向かう機中にいました。

「一度、キャッツクローの原木を見にペルーへお越しください」

という甘い誘いにのって、のんびり旅行を当て込んでいた私には、その時、今まで経験したことのない、また二度と経験したくないアマゾンでのサバイバル体験が用意されていようとは夢にも思っていませんでした。

キャッツクローの原木を見ること、それはまさに地獄の体験でした。ペルーの首都リマからバスに揺られて十六時間、標高六〇〇〇メートルのアンデス山脈越えで高山病に苦しんだあげく、翌日にはアマゾン川で小型ボートに揺られること数時間。ゲリラとの遭遇を心配しながら、徒歩で山を越え、現地の歓迎昼食会では捕まえたばかりの新鮮な“大ネズミ”をいただき、再び雨と泥の中を歩き続ける……。しかし、結局、二日間死ぬような思いでたどり着いた先には、わずか一本のキャッツクローがあるだけでした。

「キャッツクローの自然木を見た日本人は、あなたが初めてです」

という現地ポーターの言葉が妙に納得できるほど、この樹木はペルー人の間でも「幻の樹木」とされているのです。誰も足を踏み入れないそんなアマゾンの奥地でも一ヘクタールに二〜三本しか生えていない奇跡のハーブが、このキャッツクローなのです。 幸いなことに、今では、フジモリ大統領が積極的にキャッツクローの育成を奨励したおかげで人工栽培の技術が開発され、比較的簡単にそのすぐれた効果を世界中の方が享受できるようになっています。

その昔、インカ人が家族の病気を治すために何日間も探し歩いたと言われるこの奇跡のハーブ「キャッツクロー」の本当のすばらしさを日本の多くの人にも理解いただきたいために本書を執筆しました。



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