糖尿病とダイエットに奇跡のサラシア

糖の吸収を抑制するアーユルヴェーダの秘薬

吉川 雅之 著 2003.09.12 発行
ISBN 4-89295-438-1 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


糖尿病との闘いを多方面からサポートする強い味方

糖尿病とダイエットに奇跡のサラシア

私たちの研究グループは医食同源の視点から、生活習慣病の予防と改善に役立つ薬用食物に関して研究を続けています。

医食同源、すなわち「食べ物を病気の予防や健康維持、病後の回復に用いる」ことは、洋の東西を問わず、世界の伝承医学で数千年以上も前から実践され、成果をあげてきました。

しかし、伝承医学で用いられてきた薬用食物は、概して、長年の経験から「効く」ことはわかっていても、「なぜ効くのか」という部分があいまいな場合が少なくありません。

本書で紹介するサラシアもそうでした。

サラシアは、自生地であるインドやスリランカでは、糖尿病に有効な天然薬物として古来より珍重されてきました。しかし、サラシアの有効成分が何であるのか、その成分がどういうしくみで効果を発揮するのか、といった化学および薬理学的証明は、数年前までまったくなされていない状況でした。

そこで私たちは、糖尿病に対するサラシアの薬効を科学的な側面から立証すべく研究に着手。その結果、サラシアには確かに強い血糖値上昇抑制作用があり、それがサラシア特有の成分によって医薬品顔負けのしくみで発揮されることが判明しました。

しかもサラシアは、糖尿病の合併症である網膜症、腎症、神経障害、ひいては動脈硬化に基づく心臓病や脳卒中の発症を防ぐパワーも兼ね備えており、また脂肪の吸収を抑制し、さらに体内に蓄積されている余分な脂肪の分解も促すことから、糖尿病対策に欠かせないダイエットにも最適です。

こうした多彩な効果は、サラシア特有の主役成分に加え、それを後押しする膨大な数の微量成分が作用しています。サラシアなどの薬用食物は、含有している多種多用な成分によって、さまざまな角度から私たちの体のホメオスタシス(恒常性=健康を維持する力)を呼び覚ますことで効果を発揮しています。

最近は医療現場でも、糖尿病の患者さんにサラシアの投与を試みるケースがでてきました。その成果の一部を2章で紹介しましたが、サラシアの投与で血糖値やヘモグロビンA1c、そして体重の数値が見事に好転しています。

現在の日本の飽食状況では、誰もが肥満や糖尿病になる可能性を秘めています。

肥満や糖尿病が、万病を誘発する恐ろしい病気であることを考えると、健康なときからサラシアを利用し、発症じたいを未然に防ぐことが最良です。もちろん、すでに発症している場合も、合併症を防ぐうえでサラシアは強い味方となります。

本書の内容が、ひとりでも多くの人の健康増進・回復に役立つことを心より願っております。




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