糖尿病とダイエットに奇跡のサラシア

糖の吸収を抑制するアーユルヴェーダの秘薬

吉川 雅之 著 2003.09.12 発行
ISBN 4-89295-438-1 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


天然食品だから体にやさしい

糖尿病とダイエットに奇跡のサラシア

低血糖発作を起こす心配はない
ところで、単に血糖値を下げたり、合併症を防ぐだけなら、従来の医薬品で間に合います。
それでもなお、サラシアの摂取が望まれるのは、サラシアがきわめて体にやさしい食品だからです。
例えば、糖尿病の治療によく使われる血糖降下剤は、効果が高い反面、摂取法を誤ったり、体調が悪いときに服用すると「低血糖発作」を引き起こす危険性を秘めています。
低血糖発作とは、血液中の糖が減りすぎて脳の機能が低下し、動悸、発汗、手足のふるえ、脱力感などに突然見舞われる状態をいいます。
脳は、糖だけを唯一のエネルギー源としているため、血糖値が下がりすぎると真っ先に甚大なダメージを受けます。その結果、前記の諸症状が発生するほか、ときには意識障害におちいる場合もあるのです。
通常は、砂糖や甘味飲料などで糖を補給すれば、すぐに症状は改善されます。
しかし、発見が遅れたり、車の運転中や階段の昇降時などに発作が起これば命取りになる場合もあります。
一方、サラシアにはそうした心配はありません。
サラシアは、α―グルコシダーゼ阻害作用で二糖類以上の糖の吸収は抑えますが、ブドウ糖には影響しません。
ですから、サラシアを利用した場合は、体に必要な糖を十分に確保したまま、血糖値をコントロールできるのです。

肝臓に悪影響を及ぼす心配もない
ちなみに、サラシアと同じ働きをもつ医薬品のα―グルコシダーゼ阻害剤も、低血糖を起こしにくいことが知られています。
また、このα―グルコシダーゼ阻害剤は、別の重篤な副作用もみられなかったことから、これまで医療現場で大変重宝されてきました。
ところが最近になって、α―グルコシダーゼ阻害剤の連用は、肝臓障害を招くことが判明し、問題になっています。
とすると、同じ働きをもつサラシアは大丈夫なのだろうか、という疑問がわいてくるでしょうが、これについては私たちの実験でまったく心配ないことが確認できています。
サラシアの継続的な摂取は、肝臓障害を引き起こすどころか、むしろ肝臓を保護するうえで役立つことがわかったのです。
これはサラシア中のポリフェノールやトリテルペン類、マンジフェリンなどの抗酸化成分の働きによります。

天然成分がホメオスタシスを建て直す
医薬品には、ほかにもさまざまな問題点があります。長く使い続けると効き目がなくなったり、体重が増えたり、複数の薬剤の併用で害が生じたり、といった具合です。
ところが、サラシアはどのような場面でも、不思議なくらい私たち人間に都合のいい、やさしい作用を発揮します。
これはサラシアが、単一成分で構成される医薬品と違って、無数の成分が入り混じっているためと考えられます。
サラシアのような天然薬物は、そこに含まれる無数の成分が、あるときは相乗的に働き、あるときは互いに牽制しあいながら、そのつど柔軟性のある作用で私たちの体のホメオスタシス(恒常性=健康を維持する力)の回復を促してくれるのです。
だからこそ、体に負担がないまま、糖尿病に対して多方面から効果が得られるのです。



※図表省略




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