羅布麻の驚く効きめ

血圧降下、免疫機能アップ、副作用なし

難波 恒雄 著 1995.04.28 発行
ISBN 4-89295-348-2 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


飲んでも着ても体にいい羅布麻

羅布麻の驚く効きめ

「羅布麻」(らふま)といっても、いったいなんのことかと首を傾げられる方はきっと多いことでしょう。

これは、中国中部から西北部にかけて群生する野生の植物で、その葉は一部の地域では数百年にわたって、お茶の原料とされてきました。中国の人々に、日常手軽に飲めるお茶のひとつとして親しまれてきたのです。とくに羅布麻が豊富な西北地区(新疆、甘肅、青海)では、われわれが日本茶を飲むようにして現在でも飲んでいます。

その羅布麻のお茶に薬理作用のあることがわかったのは、一九六〇年代のことです。その後、中国の研究機関によってさまざまな試みがなされ、いまでは臨床の現場で医薬品としても使用されています。

おもに高血圧を抑えたり、カゼの予防、心身の鎮静作用といった点に効用がみられますが、羅布麻の用途はこればかりではありません。

その茎から取れる天然繊維を利用して、シャツや靴下、ハンカチなどの衣料品も作られています。肌着として身につけると、飲んだときと同様の効用があるということで評判になっているとのことです。 また、中国では羅布麻を利用した「タバコ」も開発されるなど、生活全般にわたって、羅布麻が浸透していることがうかがえます。

このタバコでいえば、実は十数年前、日本で羅布麻を利用したタバコを作れないか、という相談が私どもの研究所にまいりました。そのときは、研究を始めたばかりでしたので、話だけで終わってしまいましたが、羅布麻にはタバコはおろか、さまざまな利用法があることだけは確かです。

判明している羅布麻の効用については本小冊子で述べてあります。詳細な効用については今後研究を続けていく段階ですが、一研究者としても羅布麻は大変楽しみな素材と思っています。




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