南国の秘薬春ウコン

肝臓機能と胃腸を活性化する黄色い根茎

糸川 秀治 著 1996.12.23 発行
ISBN 4-89295-372-5 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


ガジュツもウコンの仲間

南国の秘薬春ウコン

ガジュツにも薬効があった
日本で栽培されている生姜科クルクマ属は3種類あります。「春ウコン」と「秋ウコン」、そして「ガジュツ」です。莪朮と表記されます。学名はクルクマ・ゼドアリア。春ウコンと同様な薬利作用があることが解明されはじめ、注目されているものです。
本書の第2章で述べるウコンのさまざまな作用は「春ウコン」によるものですが、ここで少しガジュツについても見てみます。

相乗効果が期待できる
ガジュツもやはりウコンと同じような根茎をもち、生薬として用いられます。根の中は、中央部がやや紫がかった淡い黄色で、3種のなかで最も苦く芳香も強いものです。ガジュツの精油成分には胃液の分泌促進をはじめ、胆汁分泌促進、防腐作用、コレステロール低下作用などがあります。
わたしのマウス実験では、ガジュツエキスによる抗腫瘍(ガン)作用、肝障害の抑制効果を確認しています。
また、水野修一博士は、ピロリ菌がガジュツエキスによって胃の中から消滅したことを、臨床試験で確認されています。
さらに、春ウコンの薬利作用が広く認知されるようになるにつれ、新たな面もわかりはじめています。ガジュツ単独での作用もさることながら、春ウコンと一緒にすると、それぞれの作用が高まるのではないかという報告が出てきています。
確かに、春ウコンにはクルクミン(2章参照)が多量含まれているのに対して、ガジュツにはほとんど入っていません。春ウコンは臓≠ノガジュツは腑≠ノいいという人もいるようです。
今後の研究結果を楽しみに待ちたいと思います。




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