南国の秘薬春ウコン

肝臓機能と胃腸を活性化する黄色い根茎

糸川 秀治 著 1996.12.23 発行
ISBN 4-89295-372-5 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


健胃作用で食欲増進

南国の秘薬春ウコン

唾液分泌を促進する
ウコンは苦みの成分が口の粘膜を刺激して、唾液の分泌を促進します。
じつは唾液というのは、大変に有用な物質です。胃での消化を助けるだけではありません。食べ物に含まれる発ガン物質の働きを殺してしまうなど、多くの役目を担っているのです。
またウコンは、唾液ばかりでなく胃液の分泌をも活発にしてくれます。このため、消化吸収の働きもよくなり、健康な胃を保ってくれるのです。しかし、胃酸は出過ぎては胃潰瘍など胃を痛めることになってしまいます。しかし、ウコンには胃酸のペプシンを抑える精油成分もあり、適度な刺激に保ちます。

食欲は元気のもと
夏の暑さは食欲を衰えさせます。食欲が衰えれば、当然、栄養は不足がちになり、身体の元気は失われていきます。
この、基本的なことがどうも最近、見すごされがちなようです。
どこか身体の調子がおかしいと、すぐに医者を頼り、その一方でダイエットなどといって、食べ物をおろそかにしたりするのです。これでは本末転倒というものでしょう。
ウコンはしばしば〈万病の薬〉といわれたりします。実際、万病に効く薬などはありえないのでしょうが、身体そのものを活気づけ、病気に対する抵抗力を増すという意味では、そうかと思われます。
人間の身体には、もともと病気に対する強い抵抗力が備わっています。ウコンは食欲を回復し、肝臓の機能を強化することで、病気に対して効き目を発揮するのです。夏の暑さのきびしい沖縄で、ウコンが珍重されているのもこうした理由からでしょう。




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