よく効く“薬草”アロエ

免疫力アップ、老化予防にキダチとベラ

八木 晟 著 1997.07.20 発行
ISBN 4-89295-377-6 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


炎症や痛みを抑え、菌を殺す

よく効く“薬草”アロエ

キダチアロエの主な効用
前章でも述べましたように、雑種も入れると六〇〇種類を超えるアロエですが、健康法や美容法で利用されるのは、キダチアロエとアロエベラの二種類です。
この章では、キダチアロエの@抗菌、鎮痛、抗炎症作用、A健胃、整腸作用、B肝機能増進作用、C細胞活性作用について説明します。

抗炎症作用と抗潰瘍作用の働き
打撲や捻挫するとその部分は熱を持ち、炎症を起こして痛みを伴います。アロエは炎症を抑えるとともに血液の循環を良くする作用があるので、痛みがとれ、腫れもひきます。
このアロエの抗炎症作用は、アメリカのデイビス教授の実験でも明らかです。
教授はウサギやネズミに皮膚(耳)の腫瘍(炎症)を人工的に起こし、アロエの投与による腫瘍の減少を調べました。結果、アロエエキスで三七・四%、上清み液で二九・二%、沈殿物で一二・一%の減少率が見られたのです。
また、外傷の治癒に対する効果(傷口の張力≠フ回復)をみる実験では、アロエエキス二〇〇mg/kg投与しました。すると投与したモルモットでは四日後には六一・五%張力が回復したのに対し、何も投与しなかったモルモットはわずか六・一%で、じつに十倍もの差があったのです。
アロエのゼリー質に含まれる酵素(糖タンパク)が、炎症を起こすブラディキニンという物質を分解することによって、熱や痛みが抑えられると考えられています。
また細胞を増殖させ、細胞の欠損部を内から盛り上げて修復するので、あとも残らず、回復も早いのです。これはアロエウルシンやアロミチンという成分の抗潰瘍作用によるものです。

抗ヒスタミン作用でかゆみがとれる
湿疹のかゆみのもとになるのは、ヒスタミンという起炎物質です。アロエの成分(アロエウルシン)には、このヒスタミンの分泌を抑える働きがあります。
またアロエの多糖体の保湿作用も、皮膚のかゆみを止めるのに役立ちます。湿疹をかきまわして起こした炎症や傷の修復にもアロエは効きます。
アロエの殺菌作用も強力です。皮膚の汚れにぶどう球菌や連鎖球菌などが繁殖すると、炎症・化膿しておできや皮膚病になりますが、アロエには、細菌を殺す作用、これらが出す毒素を中和する作用があり、皮膚の炎症を防ぎます。




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