よく効く“薬草”アロエ

免疫力アップ、老化予防にキダチとベラ

八木 晟 著 1997.07.20 発行
ISBN 4-89295-377-6 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


細胞の新陳代謝を高めて活性化

よく効く“薬草”アロエ

血圧を正常にする働き
アロエには細胞の新陳代謝を活性化し、からだ全体の生命力を強くする細胞賦活作用があります。ひとことで言いますと、これが自然治癒力ということです。
これにより弱った細胞が元気になり血管のアカ(コレステロール)が取り除かれ、血液の流れがスムーズになります。
アロエの血圧降下作用は、いくつもの実験で証明ずみです。イギリスの医学研究所のグループは、キダチアロエの成分アロインが末梢血管を拡張し、血圧を下げる働きをすることを実証しました。
人間は自分の体の中で、プロスタグランジン(生体内で細胞の機能を調節する物質)を適切な量だけ合成するようになっています。プロスタグランジンE2という物質が末梢血管を拡張して血液循環をよくし、血圧を降下させるのですが、アロインはこのプロスタグランジンE2の生合成を促進するのです。

体の免疫力を高める
現在、がんの克服が国民的な課題となっていますが、私は一九七七年にキダチアロエの多糖体アロエマンナンを用いた実験で、抗腫瘍効果を確認しました。従来の抗がん剤のように直接がん細胞を殺すのではなく、生体の防御機構すなわち免疫力を強めてがん細胞の増殖を抑制するのです。
こうしたアロエの腫瘍を抑制する働きは、がん制圧への大きな希望の一歩となるものと期待されます。

ゼンソクや気管支炎を防ぐ
またこれもキダチアロエの大きな効果なのですが、白血球を活性化する働きがあるのです。私たちの体は、ある部位に炎症が生じると、そこに白血球が動員されるようになっています。その白血球は、炎症の原因となる原因物質(細菌など)をどんどん食べてしまって、それ以上炎症が悪化しないように鎮めます。この白血球の働きを「貪食・殺菌効果」といいます。
一九八五年に私は、国立相模原病院リウマチ・アレルギー臨床研究部の信太隆夫部長のグループとの共同研究で、キダチアロエエキスが、上気道感染が原因のゼンソクや気管支炎に有効であることを証明しました。51歳以上で、ゼンソク治療に過去ステロイド剤を服用したことのない患者にキダチアロエエキスを投与しましたが、六割以上という高い治癒率を示しました。
アロエエキスに含まれている数種のアミノ酸混合物や多糖体、糖タンパクが作用したものです。




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