よく効く“薬草”アロエ

免疫力アップ、老化予防にキダチとベラ

八木 晟 著 1997.07.20 発行
ISBN 4-89295-377-6 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


期待される老化予防への効果

よく効く“薬草”アロエ

コラーゲンを増やし、肌を若返らせる
一九九〇年代に入り高齢化が一段と進んだ今日、どうすれば老後も生きがいのある生活(クオリティー・オブ・ライフ)を送れるかということが真剣に考えられるようになってきました。
私は薬学者の立場から老化予防物質の研究を続けてきましたが、現在、アロエベラの「皮膚若返り効果」に大変な期待を持っています。
人間の細胞組織の老化現象は誰にも止められませんが、この老化現象を少しでも遅らせることができたら、もっと若々しく長生きできることになります。
老化現象が最もはっきりわかるのは皮膚です。皮膚の老化の大きな原因の一つに、コラーゲンの生合成の低下(遅延)があります。
コラーゲンは細胞間物質≠ネどとも呼ばれるタンパク質で、細胞と細胞をつなぐ材料となって弾力のあるしなやかな肌をつくりますが、老化とともにコラーゲンの生成スピードは遅くなり、これが肌のシワの原因となります。

これからも進む研究
一九八四年のポーランド・ワルシャワ医科大学の研究報告によると、このコラーゲンの生合成を高めるのに、アロエベラエキスが非常に効果的であることがわかりました。スタショ教授の実験では、外傷のモルモットの皮膚にアロエを外用したときのコラーゲン量の増加率は、何も投与しなかったモルモットに比べて四倍以上でした。
アロエの汁を肌につけるとコラーゲンの量が著しく増えることも確認されています。おそらくアロエに含まれるリンゴ酸、酒石酸などの有機酸がコラーゲンの生成を促進するためではないかと考えられます。もちろん飲んだり食べたりすることでも同様の効果が得られます。
現在のところ、アロエベラの老化防止効果は皮膚についてのみですが、アメリカでは、アロエの老化(エイジング=加齢)に対する影響についての研究が本格的に始まっています。
人間は、一説によると一二〇歳くらいまでは生きられるようにプログラム≠ウれているとも言われています。しかし、現実にその歳まで長生きする人は極めて希です。そうでない大多数の人の老化予防や若返りにアロエが寄与することは、クオリティー・オブ・ライフを高めることにもなるでしょう。




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