大地の恵み元気果実 ハスカップ

「肝腎」要に働くストレス社会の強い味方

まるも ゆきこ 著 2008.04.08 発行
ISBN 978-4-89295-625-6 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


「結氣膳」とは!?

大地の恵み元気果実 ハスカップ

ストレス社会の食志向
「食事」をとるということは、人間の生命維持に不可欠であり、毎日の楽しみや生きがいにもつながる、なくてはならない大切な行為です。
食の多様化時代の最中、ストレス社会で生きる現代人の食志向はどんどん変化しています。生活習慣病への予防を意識しながら食事をする人が増えましたが、一方では、やはり美食追及の勢いに歯止めがかかりません。
世の中を見渡すと「美味しい」と言われるものはたくさんあります。しかし、他人が美味しく感じていても、自分にとっては本当に美味しい食べ物ばかりでしょうか。
ストレスを抱えている現代人にとっての食環境は、幅広い食の選択肢に戸惑いながらも、本来体が必要としている物を体に問いかけるゆとりさえ見失っていることに多くの人は気づいていません。
たぶん今の自分の体に不必要な食べ物でも、周囲の雰囲気に流されたり、違和感で口から吐き出そうとする勇気がもてないほど、体が本能的に反応することから遠ざかってしまっているのです。

弟の死から考えたこと
医者の家系に生まれ、幼少のころから健康の大切さを意識して育った私は、ある日突然、発病してからわずか4カ月にして17歳という若さで他界した弟の死を目の当たりにし、「健康」を意識した食事をバランスよくとっていれば元気でいられるというわけではないということを実感しました。
そして、健康で心美しくありながら生命を守るためには、どうすればいいのだろうか!? という使命にも似た強い思いをもつことになったのです。
料理好きの母に育てられ、食事の大切さを知る環境で育ったつもりでしたが、弟の死は、改めて健康管理面からの現代人の食生活のあり方に強い関心をもつきっかけとなったのです。

全てを網羅するものがほしい
特に、海外に在住中、欧米人の食に対する合理的な考え方にはカルチャーショックを受け、そのことをきっかけにさらに食と健康に対する意識を深めていきました。
そして東洋医学、薬膳、現代栄養学などと、ありとあらゆる角度から 食を学んで行く途上で一つの大きな壁に突き当たったのです。
『どの道もただしい……しかし、部分でしかない。全てを網羅するものはないだろうか……?』
その答えが、「結氣膳」でした。『食と体と心を氣で結ぶ』という観念がその問いを解くカギだったのです。

食べる時の心の状態も大切
現代の生活習慣病の多くは、すでに現代医学の分野では解明できないといわれる病気が多くなっています。まさに現代病は、ストレスという心で感じる精神部分と深く関わっているため、「ストレス社会のもたらした食源病」とも言えます。
結氣膳は、単に食ベ物の質や栄養素だけを重視するというだけでなく、食べる時の心の状態にも意識を向けて、心の安定がはかれる食環境づくりとあわせて、食べ物と心と体の氣の調和をはかることで、日々の健康維持増進を目指しています。

もっと充実した食事を
何を体が欲しているのか? 本当に美味しいと感じて食べているのか? 楽しく満足して食べているのか? ……などを自分に問いかけてみてください。
例えば外から買ってきたお惣菜でさえ、自分の好みのお皿に移してから食べてみるなど、ちょっとした自分の気持ちを食べ物に注いだり、素材を味わい、よく?むことで、これまでの食事がもっと充実することでしょう。

身近な食材を見直そう
ハスカップがアイヌの人たちにとって生きる上で必要とされた宝物だったように、私たちにとっての本当に必要な食べ物は、まさに身土不二といわれているように、海外にまで目を向けなくとも身近なところで発見できるのではないでしょうか。
では、最後に結氣膳の考えをもとに作成したハスカップのレシピを紹介しましょう。




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