糖尿・ダイエットにギムネマ

インド2000年の甘味抑制薬草

幡井 勉 著 1994.08.23 発行
ISBN 4-89295-338-5 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


ギムネマは別名“砂糖を壊すもの”

糖尿・ダイエットにギムネマ

インド原産の薬草
昔からギムネマは“甘みを消す”不思議な植物として、東洋医学だけでなく、一部の化学・生理学分野の研究者からも注目されていました。
それが今日のように世の中の脚光を浴びるようになった背景には、肥満、ことに「糖尿病」を患う人が増えていることがあげられます。
ギムネマと糖尿病については、後で詳しく述べることにして、まずはギムネマについて説明しておきましょう。

ギムネマ・シルベスタ
ギムネマとは、インド原産のガガイモ科植物の学名(ラテン語)「ギムネマ・シルベスタ」のことです。
この植物の葉を噛むと、不思議なことに、甘いはずの砂糖の甘みはなくなって、まるで砂を口に入れたみたいな“味感覚”になります。
そのため、糖尿病や肥満で苦しんでいる人たちの“糖分摂取抑制”に役立つと、大きな関心を集めているのです。
インドでは、昔から薬草の形でギムネマを肥満や糖尿病の治療に役立ててきています。

ギムネマは無害な薬草
薬草で昔から使われているといえば、有名なのがアヘン(阿片)です。アヘンはケシ(芥子)の果殻から分泌する乳状の液を乾燥して精製されたもの。今日では、幻覚症状を起こすなどの“イケナいイメージ”が強いのですが、その昔は、「アヘンなくして治療なし」といわれていたくらい、人類の病苦を取り除くのに役立った薬草です。
それに対し、ギムネマは、アヘンのように社会(人間性?)に害を及ぼしたりはしません。
ギムネマはまったく無害な薬草です。

ガガイモ科の蔓性の植物
ギムネマは、植物分類学上からいうと、日本にも自生している生馬、唐綿、ガガイモなどとおなじガガイモ科(唐綿科)に属する蔓性の植物です。
樹木にからみついて上に伸びたあと、四方八方へと蔓を伸ばして成長していきます。全長2〜3メートルほどで、大きなものになると4メートルを越します。
葉は卵形をしており、茎に対して左右対称に生えます。これを「対生」といいます。葉の大きさは3〜5センチの長さで、葉のつけ根は広く、葉先はとがっています。椿の葉形に似た感じです。
花は黄色がかった小さなもので、傘を開けたような形をしています。
実は羊の角に似た細長い5〜8センチほどのもので、先端にいくほど平べったく、かつ薄くなっています。
花は8〜9月に咲いて、1〜3月頃に実をつけます。
ギムネマの原産はインドですが、ビルマ、インドネシア、フィリピン、中国南西部、オーストラリアなど世界の熱帯、亜熱帯にかけて広く分布しています。
しかし、生育のしやすさでいうと、乾季と雨季のわかれた、標高一〇〇〇メートルくらいまでの丘陵・山岳地帯が適地だといわれています。




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