中高年の能力アップにイチョウ葉エキス

高齢化時代のエースとして期待の保健食品

矢澤 一良 著 11998.10.28 発行
ISBN 4-89295-391-1 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


こんな病気にもイチョウ葉エキス

中高年の能力アップにイチョウ葉エキス

めまい
めまいに対する効果については、フランスの三つの医療施設が共同で行なった次のような二重盲検試験の結果が出ています。
最近、原因不明のめまいを発症した70名の患者さんを二つのグループに分け、一方にはイチョウ葉エキス(1日160r)を、もう一方には偽薬を3ヵ月にわたって投与しました。その結果、イチョウ葉エキス投与群では85%の患者さんが「回復あるいは極めて改善」したそうです。これは対照群の2倍以上の改善率でした。

老年性黄斑変性
老年性黄斑変性は、失明にいたる頻度の高い眼疾患で、現在のところ決定的な治療法はありません。その老年性黄斑変性の初期の段階にある患者さん20名を対象にした二重盲検試験が報告されています。
イチョウ葉エキス投与群(6ヵ月間、160r/日)の患者さんは、対照群に比べて遠視力が有意に改善、近視力も改善傾向がみられたそうです。

耳鳴り、難聴
ヨーロッパの複数の耳鼻咽喉科の治療成績をまとめると、イチョウ葉エキスを投与した総数760名の患者さんのうち、聴力の低下が改善された例は45%、耳鳴りが改善された例は76%にのぼっています。
ちなみに、ヨーロッパで市販されているイチョウ葉エキスの医薬品の効能書きには「内耳の老化による血行不良が原因の耳鳴りや難聴に大きな効果を発揮する」ことが明記されています。

アレルギー
アレルギー性疾患に対するイチョウ葉エキスの効果は、主にPAF(血小板活性化因子)を抑制する作用によります。PAFは血小板の凝集を促す物質として29頁で紹介した物質ですが、実は、免疫反応が起こる際の情報伝達物質の役目も担っています。つまり、免疫反応が過剰に高まる(アレルギー性疾患が起こる)背景にも、PAFが深く関与しているわけです。
次の臨床試験の報告から、イチョウ葉エキスがアレルギー性疾患の予防と解消にも有効なことがわかります。
ぜんそくの患者さんに、イチョウ葉エキスを継続的に投与したところ、ハウスダストやダニ、花粉などのアレルゲン(アレルギーの原因物質)を吸引しても、即時型気道収縮が有意に抑えられ、6時間後の気道反応性の亢進も抑制傾向を示したといいます。
また、アトピー性皮膚炎の患者さんを対象にした二重盲検試験では、アレルゲン注射による炎症発生に対して、イチョウ葉エキスの投与は「浮腫の状態を有意に抑制した」といいます。

冷え症
サーモグラフ(皮膚温度の分布をカラー画像で識別できる装置)を用いた研究で、下肢の血管障害をもつ患者さんにイチョウ葉エキスを投与したところ、皮膚温の低下が抑えられることが確認されています。

パーキンソン病
ドイツの研究で、12名のパーキンソン病の患者さんにイチョウ葉エキスを投与したところ、4週間後には脳の血行障害が改善され、脳波の波像が明らかに正常化したと報告されています。

間欠性跛行症
間欠性跛行症は、足の血行が悪いために、歩くと足に痛みが出て、跛行(足をひきずって歩くこと)をきたす病気です。
ドイツとフランスの15箇所の医療施設で行なわれた臨床試験では、6ヵ月間のイチョウ葉エキス投与で「歩行距離が2倍近く延びた」「休息時の痛みが半減した」などの成果が報告されています。




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