アーユルヴェーダの伝統薬草バコパで心の病に克つ

不眠症・不安障害を癒やし、脳を活性化するハーブの力

矢澤 一良 著 2003.12.28 発行
ISBN 4-89295-441-1 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


不安をやわらげる効果も立証された

アーユルヴェーダの伝統薬草バコパで心の病に克つ

不安レベルが18ポイント低下
不安をやわらげるバコパの効果は、インドで行なわれた次のような臨床試験で立証されています。
試験の対象となったのは、不安障害に悩む35名の患者さんです。これらの患者さんを2つのグループに分けて、一方にはバコパを加えた食事療法を2週間、もう一方の群の患者さんには、同じバコパの食事療法を4週間にわたって実施しました。
そして、試験前と試験後のそれぞれの不安の程度を「シンハのスケール」と呼ばれる尺度で測定しました。
結果は、左図のとおりです。バコパを2週間とり続けたグループでは、不安レベルの平均値が約18ポイント低下。また、バコパを4週間とり続けたグループでは約8ポイント下がりました。
バコパの継続的な摂取で、明らかに不安がやわらいだのです。

問題行動の改善もみられた
ところで、不安障害の患者さんは、仕事をしたり、人とつきあったりという社会生活のなかで、協調性に欠けた行動をとったり、うまく対応できない場合がしばしばあります。
じつは前記の臨床試験では、2つのグループの患者さんに対し、不適応レベルを測る指標(アスターナ)で、その変化についても調べています。
結果を示したのが上の右図です。不適応レベルの平均値は、バコパを2週間とっていた患者さんでは約28ポイント、バコパを4週間とっていた患者さんでは約13ポイント改善されました。

無気力感や精神疲労もやわらいだ
さらにこの試験では、バコパの摂取が、不安障害に併発しがちな「無気力感」の改善に役立つことも確認されています。2週間のバコパの摂取で、無気力感を調べる指標(アスターナ)が約21ポイント低減したというのです。
また、精神疲労に対してもバコパで成果がみられます。精神疲労のレベルは「ジョシイの数字消去試験」で調べられていますが、これは数値が高いほど精神疲労が少ないことを示します。
試験の結果、バコパを2週間摂取していたグループでは23ポイント(下図)、バコパを4週間摂取していたグループでは約54ポイント上昇しました。

不安にともなう諸症状にも好結果が
そのほか、バコパを摂取後、両グループの患者さんの多くに、不眠、頭痛、疲労感、イライラ、集中力の低下、食欲不振、消化不良、ふるえ、動悸、神経症などの症状の軽減、そして呼吸数の減少と呼吸の安定がみられました。


※図省略

その他の各種薬用植物関連書籍