痴呆症から脳を守るビンカマイナー

アルツハイマー型、脳血管性を予防する三大作用

矢澤 一良 著 2004.05.20 発行
ISBN 4-89295-446-2 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


脳の血行不良による諸症状が緩和

痴呆症から脳を守るビンカマイナー

150日の投与で65%向上
ビンカマイナーは、脳血液循環不全による痴呆症以外の諸症状に対しても大きな成果をあげています。
例えば、Novisらが、脳血液循環不全と診断された20名の患者さんを対象に行なった研究があります。
それによると、対象者に神経テスト、脳波、実験室試験、精神測定(知的能力、集中力、論証力、人格など)を実施。その後、ビンカマイナーを1日40rずつ150日にわたってとってもらい、再度前記の試験を行なった結果、65%において向上がみられたと報告されています。

ビタミンCの併用で効果アップ
一方、Noveloらは、ビンカマイナーと一緒にビタミンCをとると、脳循環不全による諸症状に対して、より効果的であることを次のような研究で明らかにしています。

【試験内容】
試験の対象となったのは、脳循環障害の症状をもつ40歳以上の患者さん30名です。これらの患者さんはどなたも、記憶障害、注意欠陥障害、精神集中障害、読解障害、不眠症、偏頭痛、耳鳴り、光視症、めまい、平衡感覚異常、むかつき、精神不安、攻撃性障害、不定愁訴、情緒不安、うつ症状、精神錯乱などの症状が3つ以上重複してみられました。
そこで対象者を15名ずつ次のA群とB群に分け、4週間後の両群の症状の変化を比較しました。
A群=ビンカマイナー(60r/日)とビタミンC(120r/日)併用
B群=ビンカマイナー(60r/日)単独投与

【結 果】
対象者による自覚的な総合判定と、試験者による客観的な総合判定を示したのが前頁の表です。
ビンカマイナーとビタミンC併用群およびビンカマイナー単独投与群のいずれも、大半の患者さんが「きわめて良好」「良好」との結果を得ているのがわかります。とくに総じてビンカマイナーとビタミンCを併用していたA群の患者さんが優位な結果を示しているのが注目されます。
ちなみに、試験当初の症状の平均値は、ビンカマイナーとビタミンC併用群のほうが若干高い状態にありました。しかし、それらの患者さんのほとんどの症状が、よりすみやかに軽減し、より高い治療効果が得られたのです。
ビタミンCは、ビンカマイナーの吸収を高めることが報告されているので、そうした働きが効果の向上に寄与していると考えられます。
さらにこの試験では、眼底検査によって血管の変化も調べています。その結果、A群B群とも、血管異常が正常になった患者さんが1名ずついて、A群では他に4名の患者さんに血管硬化症のレベルがVからUに軽減される例がみられています。


※表省略

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