痴呆症から脳を守るビンカマイナー

アルツハイマー型、脳血管性を予防する三大作用

矢澤 一良 著 2004.05.20 発行
ISBN 4-89295-446-2 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


ビンカマイナーは欧州では医薬品

痴呆症から脳を守るビンカマイナー

ヨーロッパに自生する天然ハーブ
ビンカマイナーは、ヨーロッパ原産の夾竹桃科のつる性植物です。スペイン北部やフランス西部、ヨーロッパ中南部を中心に、東はコーカサスまで広く分布しています。
ビンカマイナー(Vinca minor)というのは植物学的な学名で、ヨーロッパでは「ペリウインクル」「ビンカペルビンカ」などと呼ばれ、日本では「ヒメツルニチニチソウ」の名で知られています。

日本でもサプリメントが登場
ヨーロッパでは古くから、このビンカマイナーを煎じたお茶が、物忘れ防止や集中力を高めるハーブティーとしてポピュラーに飲まれてきました。
そうした伝承的効果が近年になって科学的にも立証され、20年ほど前にビンカマイナーを原料にした医薬品(脳循環代謝改善剤)が登場。脳血流不全に由来する記憶障害、集中力・注意力欠如、脳動脈硬化、脳梗塞後遺症、めまい、視覚・聴覚障害などの患者さんに対して、ヨーロッパ各地の医療施設で処方されています。
一方、日本の「改正 医薬品の範囲に関する基準」では、ビンカマイナー(ヒメツルニチニチソウ)は全草が「食品」として分類されています。2000年には機能性食品として承認されたことから、現在はサプリメントの素材として市場に広く出回っています。

主要成分は「ビンカミン」
ビンカマイナーの主要成分は「ビンカミン」。これはインドール・アルカロイドと呼ばれる強い生理活性をもつ成分の一種で、ビンカマイナー特有の成分です。脳に対するビンカマイナーの効果は、おおむねこのビンカミンの働きによって生み出されると考えられています。
他に、ビンカマイナーにはフラボノイド類も含まれています。おそらくこれもビンカミンの健脳効果をサポートしていると思われます。
ちなみに、ビンカマイナーには、ビンカミンの類縁物質であるビンシン、ビンカディフォルミン、アポビンカミンなども含まれていますが、これらの薬理作用は報告されていません。
では、ビンカマイナーの健脳効果を支える3つの基本作用からみていきましょう。




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