痴呆症から脳を守るビンカマイナー

アルツハイマー型、脳血管性を予防する三大作用

矢澤 一良 著 2004.05.20 発行
ISBN 4-89295-446-2 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


ビンカマイナーで痴呆症状が改善

痴呆症から脳を守るビンカマイナー

12週間で痴呆症状が有意に改善
痴呆症に対するビンカマイナーの効果は、実際の患者さんを対象に行なわれた研究で立証されています。
Fischhofらの臨床試験を紹介しましょう。

【試験方法】
試験の対象とされたのは、脳血管性痴呆症の患者さん77名と、アルツハイマー型痴呆症の患者さん75名の計152名(50〜80歳)です。
アルツハイマー型の患者さんのグループと、脳血管性の患者さんのグループで、それぞれ別個に「ビンカマイナーを1日60r投与群」と「偽薬(プラセボ)を1日60r投与群」に分け、二重盲検法で結果が判定されました。
二重盲検法とは、試験薬(この場合はビンカマイナー)の他に、それと外見や味がそっくりな偽薬を用意し、どちらのグループに試験薬を与えているのか、対象の患者さんはもとより、試験を実施している研究者にも知らされずに行なわれる厳密な試験法です。つまり、この試験で得られた結果は、きわめて信頼性が高いといえます。
なお、152名の対象者のうち、最後まで試験を続行し、評価できたのは142名で、両群とも各71名ずつでした。

【結 果】
12週間後、両群のCGI(臨床の全体的印象)、SCAG(Sandoz老年科臨床評価)、BGP(老年患者判断スケール)、SKT(短期知的能力試験)の結果は、上の表のようになりました。
CGI(臨床の全体的印象)を筆頭に、いずれの評価法でもビンカマイナー投与群で統計的に有意によい結果が得られています。
そして、12週後の各評価法の結果を、脳血管性とアルツハイマー型の患者さんで別々に示したのが左頁の表です。
痴呆症の種類に関わらず、ビンカマイナー投与群は明らかに数値が改善(低値)されています。一方、偽薬群では変化がないか、わずかな変化にとどまっているのがわかります。
現在のところ、脳血管性とアルツハイマー型の痴呆症はいったん発症すると決定的な治療法はありません。
そうしたなか、食品であるビンカマイナーでこれほど大きな成果がみられたことは特筆すべきでしょう。

*表省略


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