羅布麻の驚く効きめ

血圧降下、免疫機能アップ、副作用なし

難波 恒雄 著 1995.04.28 発行
ISBN 4-89295-348-2 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


羅布麻のさまざまな用途

羅布麻の驚く効きめ

柔軟で強度に富む繊維
羅布麻は、その葉がお茶として利用されるばかりではありません。中国河南省開封地区、新疆ウイグル自治区などでは、約三〇〇年前から、羅布麻の茎の皮を用いて布を織ってきました。
羅布麻の茎の皮から作られる繊維は、細くて柔軟で強度に富んでいます。ほかの麻類のようなごわごわした感じもなく、非常にすぐれた天然繊維といえます。

衣料品の原料として注目される
中国大陸には、六〇万ヘクタール以上の羅布麻の群生地が存在しています。仮に、そのすべてを利用したとすると、年間数千万トンの羅布麻皮が収穫でき、数億メートルにものぼる布が織れるそうです。
ところが、そんな膨大な量の天然資源を抱えながらも、これまでの利用の仕方は十分なものではありませんでした。
しかし、最近では、技術の発達によって保健服飾製品(第四章参照)の開発も進められており、その素材として大変注目を集めています。今後、需要は大幅に増えていくものと思われます。
さらに、羅布麻は、紙の原料としても使用されています。

わかってきた数々の薬理作用
中国科学院西北植物研究所を中心とする複数の中国の研究機関は、民間薬として利用されてきた羅布麻葉について、医学的および薬学的に研究を重ねてきました。
その結果、羅布麻葉には、さまざまな薬理作用があることが判明しました。それらについては、第二章でくわしく述べたいと思います。
現在、研究の成果は、臨床の現場で生かされています。羅布麻葉からは、錠剤、固形剤、注射剤および薬剤が作られ、医薬品として用いられています。
また、羅布麻葉を四〇パーセント含んだ薬用タバコ≠煌J発され、臨床において使用されています。




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