東南アジアの秘薬トンカットアリ

精力増強・疲労回復・更年期障害を改善する中高年の強い味方

竹谷 孝一 著 2005.10.17 発行
ISBN 4-89295-607-4 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


低下した生殖機能を高める

東南アジアの秘薬トンカットアリ

不妊を招く精子数の減少
現在、わが国は少子化、つまり出生率の低下という深刻な問題を抱えています。
したがって、子供は欲しいのになかなかできないという悩みは、そのご夫婦にとっての悩みというばかりでなく、国にとっても大変不幸なことといわざるを得ません。
一般的に、妊娠を望んでいる男女が正常な性生活を営んでいるにもかかわらず、2年間以上妊娠しなければ不妊症ということになります。
不妊の原因が女性にある場合は女性不妊症、男性にある場合は男性不妊症といいますが、現在その割合は半々くらいとなっています。
男性不妊症の原因のひとつとして挙げられるのが、精子数の減少です。少精子症や無精子症は、精子の数が正常な状態よりも減少している症状のことで、そのために受精率が低下することにより不妊症を引き起こしてしまいます。

精子数を増加させる作用
したがって、この種の不妊症を改善するためには、精子数を増加させることが不可欠となってきます。トンカットアリには、そうした精子数の増加作用のあることが確認されています。
上の表は、トンカットアリの服用前と服用後のテストステロン値の変化をまとめたものです。テストステロンとは、精巣でつくられる男性ホルモンのことで、精子の生産などに関係した働きをしています。
トンカットアリの服用後では、いずれの患者の場合もテストステロン
値が増加していることがわかります。このテストステロン値の増加により精子の数も増加するようになります。
また、上のグラフは、マレーシアのマラヤ大学がマウスを使用して行なった実験の結果を示したものです。
この実験においては、1週間にわたってマウスに対して200マイクロリットル(マイクロは百万分の一を表す)のトンカットアリ抽出液を経口投与しました。
その結果、精液濃度の値の増加が確認されました。このことは、つまり精子数の増加を表しています。
このように、精子数の増加作用をもつトンカットアリは、少精子症や無精子症による不妊症の改善に大いに役立つと考えられます。

精子の運動を活発化させる
男性不妊症の原因としては、精子の運動量の低下も挙げられます。精子の数は正常でも、一個一個の精子の運動量が低下していると、つまり精子が十分元気でないと、受精率が低下するために不妊症を引き起こしてしまいます。
先に述べたマラヤ大学のマウスの実験においては、精子の運動量の変化も測定されています。
この実験により、トンカットアリを経口投与されたマウスでは、自発性運動をする精子の割合や、漸進性および敏捷性といった運動能力をもつ精子の割合が増加することが確認されました。また、平均軌道速度、直線速度、曲線速度、左右移動幅などの値の増大も認められました。
これらのデータから判明したことは、トンカットアリには精子の運動を活発化させる働きがあるということです。つまり、トンカットアリによって精子が元気になるわけです。
このような働きの面からもまた、トンカットアリは男性不妊症の改善に大変役立つと考えられます。


※図省略


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