東南アジアの秘薬トンカットアリ

精力増強・疲労回復・更年期障害を改善する中高年の強い味方

竹谷 孝一 著 2005.10.17 発行
ISBN 4-89295-607-4 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


長い歴史のある伝統民間薬

東南アジアの秘薬トンカットアリ

民間薬として有名
東南アジアの人々は、昔からさまざまな薬用植物を民間薬として利用してきましたが、それらのなかでもトンカットアリは、広くその名を知られているもののひとつです。
東南アジアの男性の間では、トンカットアリは「マレーシアの朝鮮人参」などと称されて、男性向けの強壮剤として非常に有名です。
また、原産地のマレーシアでは、トンカットアリが、亜熱帯および熱帯地方特有の伝染病であるマラリアの治療にも効果を発揮することから、「マレーシアの国宝」とまで呼ばれており、古くから愛用されてきたという歴史があります。
現在では、トンカットアリの名は現地以外の人々にも広く知られるようになり、マレーシアを訪れる観光客にも人気のある商品となっています。

根の部分を利用
トンカットアリの特徴はその苦味ですが、ほかのニガキ科の植物と同様に、この苦味こそが、強壮効果や抗マラリア効果、およびその他の薬効を発揮するもととなっていることがわかっています。
トンカットアリでは、葉や幹に比べ根のほうが格段に苦いので、ほかの部分よりも根のほうが薬効が大きいといえます。
このことを経験的に知っていた現地の人々は、主に、トンカットアリの根の部分をチップや粉末にして、民間薬として利用してきました。

解熱や疲労回復などにも効果
トンカットアリは、マレーシアにおいては生活に非常に密着した民間薬として定着しています。いわば医食同源の食材のひとつとして、日常生活のさまざまな場面で活用されています。
たとえば、肉体労働者や警察官などといった体を酷使する職業の人たちは、疲労回復のために、砂糖やミルクをたっぷりと入れた紅茶やコーヒーに、さらにトンカットアリを入れて飲んでいます。
また、乾燥した4〜5個のチップ状のものを水で煎じて飲んだり、そのままチップ一個を口に含んでなめたりもします。
体力回復のために、出産後の女性も煎じたものを飲んだりします。
このように、トンカットアリはマラリア治療剤や強精剤としてばかりでなく、疲労回復や健康増進のため、さらには熱病の解熱剤としても用いられるなど、幅広い用途をもつすぐれた薬用植物なのです。
現地の人々にとっては、健康を維持するうえで欠かせない民間薬のひとつとなっているのです。




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