オオバコの食物繊維で“絶好腸”

便秘解消、ダイエット効果、大腸ガン予防

印南 敏 編著 1996.04.26 発行
ISBN 4-89295-361-X C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


オオバコが人気商品にオオバケした理由

オオバコの食物繊維で“絶好腸”

オオバコの種皮、「サイリウム」
わが国は今飽食の時代にあります。肥満や西洋型の成人病の増加が問題になっていて、特に女性を中心にダイエットに関心が向けられているようです。
わが国でオオバコが注目されるようになったのは健康食品がブームになった頃、欧米から輸入されたインドオオバコ(学名=プランタゴ・オバタ)の種子の皮殼を粉末化したもの(サイリウム)が食物繊維の一種として便秘の予防や改善に用いられるようになってからです。
一口にオオバコといいますが、ここでは生薬の働きをするオオバコではなく、サイリウムの原料としてダイエット等に利用されるインドオオバコを取り扱います。また、本書ではこのオオバコの種皮の粉末をサイリウムと呼ぶことに統一します。

インド医学ではメジャーな存在
インドオオバコは一説にはペルシャ(イラン)の原産とされています。それが、いつの時代かわかりませんが、インドに伝わり各地に野生するようになりました。インドオオバコは日本のオオバコに比べると葉はずっと細く、地面近くに広からないで、茎に沿って包むように立っています。
種子の皮殼は、従来の概念からすれば利用し得ない、いわゆる廃棄物ですが、原産地のインドでは、主に便秘解消や健胃、整腸剤として、さらに赤痢にかかったときの民間薬として、または利尿や消炎など広く民間伝承薬として用いられたものです。
サイリウムはインド国内だけでなく、かなり古い時代からヨーロッパでも利用されてきました。フランスや英国の薬局方に載せられ、便秘や細菌性下痢、腸カタルなどに対し、吸着剤、緩下剤及び止瀉薬として利用されています。
現在、せ界各国で経験的に伝承されてきたサイリウムのこのような薬効に、近代科学の光が当てられ、種々の生理効果のあることが見いだされています。
最近二〇年間における動物実験や臨床実験などから、サイリウムには「血清脂質低下作用」、「血糖上昇抑制作用」などがあることがわかりました。サイリウムは代表的な水溶性の食物繊維ですが、大腸内の発酵性は高くありません。したがって、エネルギーの面からもダイエット向きです。このことから、肥満予防や便秘解消ばかりでなく、高脂質血症予防による動脈硬化防止、糖尿病の予防と改善などの目的で、欧米諸国で広く利用されています。




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