熱帯産“薬用果実”ノニの熟成パワー

ガン予防から抗菌・鎮痛作用、ダイエット、美肌まで

西垣 敏明 著 2003.06.12 発行
ISBN 4-89295-437-3 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


便秘解消とダイエット効果

熱帯産“薬用果実”ノニの熟成パワー

大腸を元気にして便秘を解消
改めて身の回りを眺めてみますと、便秘でお困りの方が相当おられることに気づきます。とりわけ、女性にはそういう方が多いようです。
こうした事情から、便秘解消用の医薬品が数多く市販されており、それ相応の効果をあげていると思われます。しかし、医薬品に頼らない、無理のない自然な排泄が可能になれば、それに越したことはありません。その点、ノニジュースは格好の食品といえるでしょう。
ノニジュースに多量に含まれる水溶性食物繊維ペクチンは、大腸の中の善玉菌の働きを活発化します。また、アントラキノン誘導体は、大腸の蠕動運動の促進、つまり大腸の活動を元気にする作用をもっています。
このような消化管機能の改善により、お通じがよくなる効果がもたらされるため、つらい便秘から解放されるというわけです。また、消化管機能の改善には、中鎖脂肪酸も関与しています。
便秘の解消は肌あれをなくすだけでなく、ストレスや不眠、疲労感などの不快な症状も消し去ってくれ、さらには大腸ガンに対する予防効果もあります。
一方、ノニジュースには、便秘とは反対に、細菌に感染して起こる下痢にも効果的に働くという作用があります。つまり、ノニジュースは極端に偏った体の症状を中庸に戻し、正常に保つ働きに長けているというわけです。

話題の低インシュリンダイエット
便秘同様、女性に関連の深いものとしてダイエットがあります。多くの女性が、程度の差こそあれダイエットについて関心を抱いておられることでしょう。
そうしたことから、さまざまなダイエット法やダイエット食品についての情報がテレビや新聞、雑誌などで紹介されていますが、近年、注目を集めているのが低インシュリンダイエットです。
私たちが口から摂取した炭水化物は、小腸でブドウ糖として吸収され、各細胞へと供給されます。ところが、血液中の糖が多すぎて余ってしまうと、インシュリンがそれを脂肪細胞の中に溜め込んでしまいます。その結果、肥満へとつながってしまいます。
低インシュリンダイエットとは、血液中に吸収される糖の量を減少させる(血糖値を急激に上昇させない)ことで、分泌されるインシュリンの量を減らすと同時に、インシュリンの作用効率をあげることによって、脂肪細胞への溜め込み(脂肪の蓄積)を少なくして肥満を防止しようとするダイエット法です。
ノニジュースに含まれるペクチンには、小腸からの炭水化物の吸収スピードを緩やかにし、血糖値の急激な上昇を抑制する作用があります。つまり、ノニジュースを摂取することで低インシュリンダイエットを実践してるわけです。
また、さきに述べました、ペクチンやアントラキノン誘導体による消化管機能の改善は、クマリン誘導体による血液循環の高まりと一緒になり、全身細胞を活性化させる効果ももたらします。その結果、基礎代謝量が高まりますので、ダイエットに役立つことになります。
さらには、中鎖脂肪酸にもダイエット作用のあることが確認されています。
中鎖脂肪酸には、消化管からの水溶性栄養素の吸収を促進させる働きがありますが、これにより全身の細胞の代謝機能が高まり、糖質の分解が促進されることになるのです。
その結果として、体内に蓄積された脂肪の分解もまた促進されるので、ダイエットにつながることになります。ノニジュースを飲んだ後に、だるくなることがありますが、全身の代謝機能亢進によるものでしょう。


※表省略

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