南米の伝統的薬草エルカンプーレ

メタボリックシンドロームを一掃

小川 博 著 2006.05.17 発行
ISBN 4-89295-612-0 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


ビタミンEの22倍の抗酸化力

南米の伝統的薬草エルカンプーレ

α―グルコシダーゼを阻害する
エルカンプーレに豊富なマンジフェリンは、このα―グルコシダーゼという酵素の働きを阻害する作用があります。
マンジフェリンの働きで、糖の吸収を阻害できれば、血糖値の上昇を抑えたり、内臓脂肪がたまるのを防ぐうえで大いに役立ちます。
つまり、メタボリックシンドロームの予防に働く大きな原動力になるのです。

活性酸素は動脈硬化の元凶
エルカンプーレのもう1つの注目すべき基本作用として、活性酸素の害を抑える働きがあります。
活性酸素は、体に必要な酸素の1つですが、多量に発生すると、体の組織をどんどんサビつかせて、老化を進めたり、病気を促す危険因子に変身します。「酸化」と呼ばれる現象です。
例えば、10ページで述べたLDLコレステロールが「悪玉」と呼ばれるのは、LDLコレステロール自体が悪さをするからではなく、活性酸素により酸化されたLDLコレステロールが血管壁に蓄積されて動脈硬化を進めてしまうためです。
また、活性酸素は、自ら血管壁を障害して、動脈硬化を促すことも知られています。

食品としては驚異的な抗酸化力
体の中ではこの活性酸素が絶えず発生しています。
各細胞でエネルギーを生み出すたびに発生するほか、体外から有害物質が侵入したときには、多量に生み出されて有害物質を排除する有用な働きもしています。
通常は、活性酸素の発生とほぼ同時に、体内ではそれを消去する酵素が作られるため、体が酸化される心配はありません。
ところが、体内で合成される抗酸化酵素の量は、加齢とともに減ってきます。しかも、身の回りに有害物質が多い現代では、体内に活性酸素が発生する機会が増えています。
そうしたことから、最近は、食品由来の抗酸化成分の積極的な摂取がすすめられています。
天然の抗酸化成分としては、ビタミンE(α―トコフェロール)がよく知られています。
ところが、近畿大学農学部が行なった実験によると、エルカンプーレ(※)の抗酸化活性は、そのビタミンEの22倍にのぼることが明らかにされています。
食品としては、驚異的な抗酸化力です。
メタボリックシンドロームの改善にエルカンプーレが奏効する背景には、こうした強い抗酸化力も大きく影響していると考えられます。




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