南米の伝統的薬草エルカンプーレ

メタボリックシンドロームを一掃

小川 博 著 2006.05.17 発行
ISBN 4-89295-612-0 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


本態性高血圧の予防に最適

南米の伝統的薬草エルカンプーレ

日本の高血圧の9割は本態性
近年、日本で増え続けている生活習慣病の代表が、高血圧です。高血圧には、2つのタイプがあります。
1つは、別の病気が引き金となって起こる「二次性高血圧」。こちらは大元の病気が治れば、自然に血圧も下がっていきます。
これに対して、日本の高血圧患者さんのおよそ9割を占めるのが、もう1つの「本態性高血圧」です。
本態性高血圧は、40歳前後を境に、加齢とともに少しずつ血圧が上昇していくのが特徴的。
遺伝的体質に加え、食塩のとりすぎや、肥満、ストレスなどの因子が重なると、発生しやすくなるといわれていますが、まだ原因がはっきり特定されていません。
そのため、決定的な治療法はなく、食事療法と運動療法を基本とし、必要に応じて薬でコントロールする形が通例です。

正常高値でも油断は禁物
日本高血圧学会が作成した高血圧治療ガイドラインでは、収縮期(最高)血圧が140oHg以上、拡張期(最低)血圧が90oHg以上を「高血圧」としています。
一方、メタボリックシンドロームで問題になるのは、上図の「正常高値」に当てはまる人たちです。
正常高値は、いわゆる高血圧予備軍。本格的な病気ではないものの、ちょっとしたきっかけで高血圧に進展しやすいほか、別の生活習慣病が合併すれば、心筋梗塞や脳卒中といった生命をあやぶむ病気を招くリスクが高まります。

実験で血圧の上昇が抑えられた
正常高値の人なら、食事療法をまじめに実践すれば、正常ないし至適血圧に回復することは可能です。このとき、大きな助けとなるのがエルカンプーレです。
実際に、私たちの研究グループは、次のような動物実験で、本態性高血圧に対してエルカンプーレが奏効することを確認しました。
実験に使ったのは、本態性高血圧のモデル動物として知られるネズミ(SHRSP=脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット)です。このネズミは、普通のエサを与えて飼育していると、成長につれて血圧がぐんぐん上昇し、最終的に100%脳卒中を起こして死亡してしまいます。
ところが、6週間にわたってエルカンプーレを1%混ぜたエサを与え続けたところ、明らかな血圧上昇抑制効果が確認できたのです(左図)。
ちなみに、実験動物に与えたエルカンプーレの量は、人に換算すると体重60sの人で0・6g程度。食品なら手軽にとれる量です。
治療薬と違って、エルカンプーレの血圧降下作用はゆるやかですが、正常高値の人には、体に負担の少ない下がり方といえます。

※図省略






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