北国の秘薬エゾウコギ

ストレス・疲労回復・免疫増強に抜群の効果

山岸 喬 著 1996.02.03 発行
ISBN 4-89295-358-X C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


確認された体力増強効果

北国の秘薬エゾウコギ

スポーツ界を騒然とさせたエキス
1980年に、イギリスの権威のある科学雑誌『ニュー・サイエンティスト』に、次のような論文が掲載され、スポーツ界で大きな話題になりました。それは、
「モスクワ五輪で金メダルを独占したソ連の選手たちは、朝鮮人参と同じ種類の植物から取り出したエキスを飲んでいた。このエキスは、反射神経を鋭敏にして、持久力や集中力を高める効果があるらしい。禁止薬物には指定されていないが、こうした薬物を使っているのは不公平である」
というものでした。
実は、このエキスこそエゾウコギのエキスだったのです。これは興奮剤や筋肉増強剤のような薬物ではなく、単なる植物のエキスなのですから、使用が禁止されるわけはないのですが、エゾウコギの存在を知らなかった欧米の人たちにとっては脅威に感じたのでしょう。

実際に確認された効果
ですが、薬物とは呼べないまでも、エゾウコギのエキスがスポーツマンの能力を高める効果があることはわかっていたのです。
さすがに旧ソ連だけあって、実際にスポーツマンを使ったさまざまな実験もおこなわれていて、効果が確かめられていたのでした。こうした実験は日本ではまず不可能です。エゾウコギのエキスだからよかったものの、他の薬物などでもこうした実験がおこなわれたら、ずいぶん問題だと思われます。
そうした実験上の問題はさておき、旧ソ連で確認された効果について紹介していくことにしましょう。

自転車競技のスピードアップ
スポーツマンに対して、エゾウコギのエキスを2〜4ml服用させたところ、10qを平均で約4分〜8分も短縮、かなりスピードアップの効果がありました。
また、別の実験では長期にわたる選抜競輪大会の最中におこなわれました。
このときは、特定のグループにエゾウコギのエキスを12日間にわたって服用させています。その結果、全7区間のうち6区間において、1位から10位までをエゾウコギを服用したグループが独占したのです。
また、このときには脈拍と動脈圧も計測され、筋肉の疲労回復を早め、血行をよくし、深い眠りや旺盛な食欲ももたらしてくれることも確認されました。
同じような結果は、長距離スキー、短距離走、10種競技、マラソンなどの選手においても、確認されています。

無線電信士の実験
同じ時期に旧ソ連でおこなわれた実験によれば、エゾウコギには人間の感覚器官の感性を高める作用があるということもわかりました。とくに、視覚と聴覚の実験では、かなりの効果をあげたのです。
こうしたことを受け、無線電信士にエゾウコギを服用してもらい、仕事のミスの量や、労働能率にどんな影響を与えるかが調べられました。無線電信の仕事は、注意力の集中や反応の速さなどを必要とするもので、こうした実験には最適だったのです。
その結果、エゾウコギのエキスを1カ月にわたって服用すると、ミスが少なくなり、安定した労働能率を保たせるという結果を得ています。エゾウコギは仕事にも役立つことがわかったのです。




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