自然治癒力を高めるあしたば(明日葉)

今日摘んでも明日には芽を出す驚きの生命力

山之内 慎一 監修 1996.01.30 発行
ISBN 4-89295-356-3 C2177   文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


豊富に含まれるビタミンB群

自然治癒力を高めるあしたば(明日葉)

微量栄養素ビタミン
ビタミンは生体のエネルギー源にはなりませんが、必要不可欠な微量栄養素です。さまざまな代謝に関与し、欠乏すると各種の疾患を招きます。
最近はベータカロチンとビタミンC、Eばかりが脚光を浴び、ビタミンBの影が薄くなっているようです。しかし、体への働きかけの貢献度でビタミンB群は負けていません。そもそも優劣をつけること自体、本当は無意味なことです。
ビタミンBは非常に種類が多く、有名どころでは、不足すると脚気になるB1でしょう。さらに口内炎に効くビタミンB2、ほかにもビタミンB6やビタミンB12、パントテン酸、葉酸、コリン、ビオチンなどもビタミンBの仲間です。

赤いビタミン
明日葉は、これらをすべて含んでおり、“総合ビタミン剤”といえるようなものです。なかでも注目されるのが、造血作用を持つビタミンB12です。おもに動物の体内で生成されるために、別名「赤いビタミン」とも呼ばれています。よく貧血になったとき「レバーを食べなさい」というのは、このビタミンB12が含まれているためです。明日葉は植物でありながら、ビタミンB12をつくることができるので、レバーが苦手な貧血ぎみの人にとってありがたい野草といえます。

“トライアングル効果”で貧血改善
明日葉は、造血作用をもつ葉緑素や鉄分を豊富に含んでいます。これにビタミンBが加わった三つの“トライアングル効果”は目を見張るものがあります。さらにビタミンCやE、葉酸などが相乗効果で貧血を改善します。
ただし、鉄分が不足するなどの原因がハッキリしている貧血には改善の見込みがありますが、「悪性貧血」と呼ばれるものは少々困難です。先天的に造血機能が弱かったり、血液を造り出す臓器の骨髄にトラブルが生じていたりすると、一筋縄では改善しません。このへんは、医師の診断が必要なことはいうまでもありません。


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