一家に1鉢 アロエはわが家の救急箱

小さなケガから大きな症状まで効く

木下 繁太朗 監修 1992.10.27 発行
ISBN 4-89295-013-0 C2177   文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


炎症を鎮め、細菌をシャットアウト

一家に1鉢 アロエはわが家の救急箱

やけどを冷やして治す
アロエには冷やす(熱をとる)作用があり、軽度のやけどに効果的です。
まず皮をむき、中のゼリー状の部分を取り出して、直接やけどのところに貼りつけます。または、トゲを切って葉を平たくはがし、ぬるぬるした面を貼りつけてもいいでしょう。くれぐれもアロエをすりこまないようにしてください。
アロエには、抗菌作用もありますから化膿の心配もなく使えます。しかし、重症の場合は応急手当の後で、すぐに病院で診察を受けてください。

タダレをきれいに修復
アロエは皮膚のやけどと同時に、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、または子宮、大腸、口腔粘膜などのタダレにも有効です。
これは黄汁中のアロエーウルシンの力によるもので、潰瘍やタダレを起こした組織にやさしく働き、細胞を修復させます。
さらに、修復作用を助ける葉緑素の働きも見逃せません。葉緑素には抗潰瘍作用や肉芽組織の新生作用などがあり、細胞の活力を高めます。

細菌の毒素を分解
赤チンといえば、一家に一本はあるくらい身近な消毒薬ですが、アロエが赤チン代わりに利用できることをご存じですか。
その秘密はアロエの主成分アロエチンにあります。アロエチンには、細菌の発育を阻正して殺す抗菌(抗カビ)作用と、細菌の出す毒素を中和・解毒する抗毒作用があるのです。
すり傷や切り傷を負ったときの大敵がバイ菌であることを考えれば、アロエを赤チン代わりに使うことは実に理に適っているといえます。
アロエを切り傷、すり傷、さし傷に使うときは、まず傷口をよく洗ってからにします。
アロエの皮をむき、ゼリー状の部分を傷に当てて、包帯でおさえます。このゼリー状の部分には、細胞の再生を促す成分が含まれていて、傷口への細菌の侵入を防ぐとともに、治癒力を高めます。


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