一家に1鉢 アロエはわが家の救急箱

小さなケガから大きな症状まで効く

木下 繁太朗 監修 1992.10.27 発行
ISBN 4-89295-013-0 C2177   文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


黄色い液汁は有効成分の宝庫

一家に1鉢 アロエはわが家の救急箱

日本に多いキダチアロエ
ひとくちにアロエといっても、いろいろな種類があります。
日本に多いのは、背丈が高くて寒さに比較的強いキダチアロエ。ハワイやアメリカ本国ではシャボンアロエやアロエ・ベラが一般的ですが、基本的成分はほとんど同じ(栽培条件などで若干は異なる)です。
ほかにも、アフリカ産のソコトラアロエ、ケープアロエや、インド産のキュラソーアロエなど、世界に200種類以上あります。
ここでは、キダチアロエの成分についてだと理解してください。
アロエの有効成分は大きく二つに分けられます。多糖類系成分と、植物フェノール類系成分で、どの種類のアロエにも共通する成分です。

ネバネバ成分が肌にやさしい
多糖類系成分のD−マンノースには、細菌の侵入を防ぐ作用が、またアロエ・マンナン(B-D−マンナン)には、抗腫瘍性(抗がん性)があります。
これらの多糖類系成分は、アロエの表皮をむいた肉質部の、ネバネバした液の部分に多量に含まれていて、皮膚の老化やシミ、肌荒れを防ぎます。また、長期間摂取することで、慢性病の治療にも効果が期待できます。
植物フェノール類の代表は、アロエの主成分として知られているアロイン(バルバロイン)、アロエ・エモジンなどです。これらはアロエの黄色い液汁中に含まれ、アロエの苦味の素でもあり、健胃剤、下剤の役割を果たしています。
そのほか、抗がん成分のアロミチン、抗潰瘍成分のアロエーウルシンなどの働きがあります。

50種類以上の微量有効成分
多糖類系成分や植物フェノール類系成分のほかに、アロエには50種類以上の有効成分が含まれています。
酵素、葉緑素、タンニン、サポニン、アミノ酸、植物ホルモンなど、微量ながらいずれも体に欠かせない有効成分ばかりです。
なかでも、植物ホルモンの傷を治す作用や、サポニンの油を溶かす性質などはとくに注目され、いろいろな研究が進められています。


アロエ有効成分表

・多糖類系成分
D−グルクロン酸,D−マンノウロン酸,
アロエ・マンナン,D−マンノース
・植物フェノール類系成分
アロイン,アロエ・エモジン,アロミチン,
アロエチン
・その他
葉緑素,サポニン,タンニン,アミノ酸,
酵素,植物ホルモン



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